Day71 フンジュラーブ峠越え

いよいよフンジュラーブ峠を越えてパキスタンへ入る日だ。8時頃起床し、ヒッチできそうな車を探しに町を歩いてみるが、車はみなカシュガル方面へ行くのばかり。10時近くなり仕方なくバスに乗ることに決める。たまたま宿の前でパキスタンへ向かう日本人と会って、一緒にバスに乗ることになった。タシュクルガンのバスターミナルでチケットを買おうとするが、カスタム(税関)へ行けと言われ売ってもらえず[:ぶー:]
町から約1km先にあるイミグレへ行きチケットを購入、次いで出国手続きを行う。ここのイミグレ、荷物検査はX線のみだがけっこう細かくパスポートをチェックするためかなり時間がかかる。出国カードにバスの番号が書いてないと指摘され、切符をもらってないんだから分からない、スストへ行くバスだと答えると、乗客名簿に名前がないといって通してもらえない。バスの切符売り場へ戻り名簿を提出してもらって何とか通過。
スストへのバスは昨日のとうって変わってボロいバスだ。僕ら以外の乗客は皆カシュガルから乗ってきたパキスタン人で皆かなりの荷物を持っている。彼らの荷物全部を載せ終るのを待って出発。最後に(監視のため?)軍人が1人乗ってきた。出発時刻はもう1時近くになっていた。パキスタンイミグレでは徹底した荷物検査があると聞いたので持っていた[:熱燗:]をどうしようか思案する。ミネラルウォーターのボトルに入れているのでしれっとバス車内に置いていくことにした。
今日のバスは外観に違わず非力で遅い。しかもタシュクルガンを出てからの道はほぼ全面工事中で頻繁に迂回を強いられる。峠近くまではほぼ平坦な道が続くがバスのスピードはせいぜい20〜30km/h。のろのろと進み、ようやく5時も過ぎたころ峠への坂道に入る。峠まではつづら折れの道が続く。峠の1〜2km手前に検問所がありここでパスポートチェック、監視軍人は降りていった。6時半に中パ国境のフンジュラーブ峠到着[:拍手:]

だが、バスは停車することもなくそのままパキスタン側の下りへ入っていった。写真の1枚や2枚撮らせてくれてもいいのに…。下りになりややスピードは上がったがそれでも30km程度。パキスタン側に入ると渓谷沿いの道になり、しばらくはつづら折れ、それから徐々にゆるやかな下りになっていく。途中で何頭かのアイベックスを見ることができた。
2時間くらい下ったところにゲートがあり、国立公園入場料を支払う。パキスタン人20Rsに対して外国人は4US$ 、ただ通過するだけなのに入場料を払わなければならないというのも納得しがたい。ここでバスはパンクの修理を行い、その間ここのオフィスで飼っている(?)雪豹の子供を見せてもらう。まだ小さいが噛まれるとけっこう痛い。タイヤがはずれなかったようなので交換をしたのかどうかよく分からないが、再び出発。スストまで残り約40km、しばらくすると暗くなった。道中なんどか眠くなったが、今日僕には席がなく、運転席斜め後ろの台に後ろ向きに座っていたため背もたれがなく眠ることができなかった。
11時近くなってようやくススト到着。あまりに遅かったのでパスポートを係官に預けチェックは明日取りにいったときということになった。カスタムのチェックも同様に省略され、酒を隠す必要もなかった。ここに至って荷物検査で数時間拘束されるのはイヤだったのでこの対応はありがたい。2人だったのでトイレ付のツイン部屋に入ってようやく一休み。いやぁ、220kmなのに10時間かかった。長い旅だった。楽しみにしていたフンジュラーブ峠越えだったが、峠で下車できなかったこともあり、感慨はあまりなかった。雪山に囲まれた景色もチベットから来るとあまり特別なものでもないし…
かなり疲れたし、昼食休憩もなかったので腹も減っていた。さっそく食堂へ行って久々にカレー&チャパティ、そしてチャイを頼む。不思議なことにパキスタンに入ると半年前のウルドゥー語が甦ってきて、塩なんて単語までちゃんと覚えていた[:ラッキー:]

本日の1曲 井上 陽水「いっそセレナーデ」

↓雪豹の子供

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