Day191 ハマの大水車

Riad Hotelは清潔でいい宿だが安いシングル部屋(250SP)を選んだため暖房がなくやはり寒い。この部屋にも窓はないのだが何となく雨の気配を感じる。今朝は出かける前、フロントの兄ちゃんにアラビア語フレーズをいくつか教えてもらった。ペルシア語に近いとばかり思っていたが全然違っていた。また1、2、3から覚えなければならない[:ムニョムニョ:]
9時過ぎに町へ出てみるとやはり雨。この時期のシリアって雨が多いのだろうか?とはいえ、歩いていてずぶぬれになるほどでもないので朝食をとってから町散策に出かける。ハマは水車の町というので、まずはそれを探しに行く。と、探すまでもなくすぐ水車が目に入ってきた。なるほどデカイ。この水車、現在では水力ではなく観光用に電気で回していると何かに書いてあったが、近づくと「ギーッ」とかなりの大音量を発しているので知らなければ普通に水で回っていると思っていただろう。
水車脇から公園に入って川沿いを上流へ歩いていく。と、また水車に出くわした。こちらの水車はすぐ裏まで入れるようになっていたので近づいてみる。モーターがついているような様子はなく、回るスピードも水量によって変わるので基本的には水力で回っているように思えた。
その先にちょっとした丘があり、しっかりした道がついていたので登ってみる。曇っていて寒々しいもののハマの町が一望できる。この町の建物はほとんど大理石風の色をしているので、何となく古めかしくていい感じなのだが、にょきにょきっとしたパラボラアンテナがちょっと興ざめだ。もう一つシリアに来て目立つのがヒトラー風ちょび髭をはやしたちょっと神経質そうな顔をしたおじさんの肖像画・写真だ。現在の大統領だと思うが、もしかしたら歴史上の人物なのかもしれない。シリアの政治体制についてはほとんど何の知識もないが、秘密警察みたいなものもあるらしいのであまり現地の人に「このおじさん誰?」なんて聞かないほうがいいだろう。

丘の上からキリスト教会が見えたのでそこに向うが、その先にモスクを発見したのでそっちへ行くことにした。アラブ風の服装をしたおっちゃんが「モスク、ウェルカム」というのでおじゃまする。暖房が入っていたのはありがたい。濡れた服を乾かしながらちょっと休憩。
ここを出て丘の反対側へ回っていくとまた川に出てそこには別の水車があった。橋を渡って適当に歩いていくと宿の近く立つ時計台が見えてきた。これでハマの中心エリアを一周してきたのかな。散髪をしたかったので何軒か店をあたるがボリではなく100SPが相場のようだ。パキスタンだと30Rsで切れるのでしばらく我慢することにしよう[:ポロリ:]
相変わらず雨も降っているので宿に戻って部屋で本を読んで過ごす。分厚い本を選んで9冊も持ってきてしまったが、夜はいつも数日分の日記をつけているので意外と読む暇がない。今読んでいるのは村上春樹の「遠い太鼓」。村上作品はムラカミワールドなどと呼ばれるように、(数冊しか読んでないものの)僕にはいまいち理解できないものなのだが、この作品の「はじめに」で作者は「僕が怖かったのはあるひとつの時期に達成されるべき何かが達成されないままに終わってしまうことだった。…それも、僕が外国に出ようと思った理由のひとつだった。日本にいると、日常にかまけているうちにだらだらとめりはりなく歳を取ってしまいそうな気がした。そしてそうしているうちに何かが失われてしまいそうに思えた。」と書いていて、その気持ちはちょうど29歳の僕がサラリーマン生活していたときに感じたものに近かったので、あぁこういう理由で旅に出る人って他にもいるんだなぁと村上春樹という人に勝手に親しみを感じてしまった[:モグモグ:]
5時ころになって夕食に出かけるがもうすっかり暗くなっていた。人通りも少ない。シリア名物ファラフェルがおいしくてこればかり食べていたので、空豆ではなく肉を巻いたシュワルマを食べてみた。こっちも当然ウマイ。でもファラフェルのほうが好みかな。

本日の1曲 井上陽水「傘がない」

↓ハマの大水車

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