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Day285 アルバン村到着

昨夜はイブラールが勤めるNGO「Action Against Hunger」のテントに泊めてもらい、8時頃朝食をとってからジープでアルバン村へと向かう。ナランへと続く舗装道路を走ったのは5分もなく、ジープはすぐ村へのジグザグ道を駆け上がっていく。坂道を登ること約20分でやや平坦なところに着いて降ろされた。地震が起こってからはレギュラーな交通手段がなくなり、バラコットからわすか数kmのアルバン村でさえ必要なときには数百Rs払ってジープを呼ぶしかない状況が続いているという。通常、村人は1時間半かけてバラコットまで歩いているらしい[:ふぅ〜ん:]

ジープ道終点からアルバンまでは15分弱の歩きだ。僕は別にどうってことはなかったのだが、ナビードは昨日から具合が悪い状態が続いているらしくゆっくり坂道を上がり、3日目にしてようやくアルバン村のナビード家に到着。
ナビードの一人娘ニムランがおっかなびっくりな様子でこちらを覗いている。彼の家族や僕がしばらくお世話になるシェルターなどを案内してもらった後、ナビ−ドは「まだ気持ちが悪いからちょっと横になってる。君も休んでいたらいい。」と言ってくれるが、僕はまだ元気いっぱいなので勝手に村をぶらぶらと歩き回る。この村もバラコット周辺の村と同様、コンクリート造りの家は皆半壊〜全壊で人が住める状況にはない。半壊程度の家でもやはり余震が怖いので人間は住まず家畜小屋か物置としているのがほとんどだ。人々は地震で崩れた家の上や隣にトタン板で拵えたシェルターかテントで住んでいる。新しい家を建てるために斜面を垂直に削って敷地を作っている家も数軒あった。概ねどこの家の復興状況も同じような感じだ。
この田舎の村では、道が家と家を結ぶように作られているので訪問するつもりはなくてもいつの間にか誰かの家の庭先に出てしまうのがちょっと困る。家の人に見つかってしまった場合はとりあえず挨拶してやり過ごすか、お茶を飲むことになるかの2つに1つだ[:たらーっ:]
そして、会った人が皆、この外国人は何らかの援助をするために来ているのだろう、と期待しているのが僕を困惑させる。中には「アンタどこから来た?」の次に

「で、アンタは何をしてくれるんだ?」

と露骨に聞いてくる者もいる。できるだけ多くを期待させないよう、友人に頼まれて来ているだけだと説明する。この斜面に沿って広がる縦長の村のいちばん上まで行くと周囲の村が一望できる。ここから見るとバラコットの被災・復興状況がよく分かる。この地域についてはトタン板と防水シートが行き届いているので上から見ると銀と青の屋根ばかりが目立つ。
そうこうしているうちに雨が降り出したのでナビードの家に戻る。曇るととたんに寒くなり、いったん体が冷えてしまうと何を着ても温かくならない。4月でこの寒さだから、よくこれで冬を越したものだと感心する。3時過ぎからはナビードと一緒に昨日送ったカッターの到着を待つ。午後からナビードの友人4人が機械の到着を待って村へ運ぶための手配をするためスタンバっているのだが、いつまでたっても連絡がない[:ムニョムニョ:]
5時半過ぎ、ようやく機械がバラコットに着いたとの連絡が入る。が、もうすぐ暗くなるので今日はジープ道終点までの運搬で作業終了とし、明朝そこからアルバンまで運ぶこととした。ジープ道終点近くの家まで全てのパーツを入れたという連絡が入ったのはもう9時近かった。それから遅い夕食をとって10時半頃睡眠。今日は機械が到着するまでの間ナビードといろいろ話をしたが、やはり真面目な男だ。しかし、あまり気が強いタイプではないらしい。
今日は午後から曇ってきたので星が一つも出ていなかったが、下を眺めるとバラコットや遠くマンセラの明かりが星のように美しく瞬いていた。

本日の1曲 Dokken「Alone Again」

↓完成したトタン製新居

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