JALで救難訓練を体験してきました

2月18日、2010年以来「リンクシェア・サロンJALアフィリエイト見学会」に運よく当選したので、喜び勇んで参加してきました。集合場所は東京モノレール整備場駅。羽田空港国際線ターミナルオープン翌日にチャリンコこいで見に行った川崎市民の私は、今日もチャリンコで整備場へ向かいました。が、想定外の強風のため大師橋付近でタイムロス。3分ほど遅れてしまいます。

先発組には遅れをとりましたが無事合流。本日のプログラムは、前半が緊急脱出などの救難訓練体験、後半が国際線エグゼクティブクラスのおもてなし体験という豪華二本立て。一昨年参加したときは本当に感動モノの体験でしたが、果たして今回はどうなんでしょう?期待で胸が膨らみます。


本日の流れについて等の説明が終わり、早速、徒歩2分のところにある非常救難訓練センターへ移動します。かなり年季を感じさせる建物の中に入ると、ドドーン!とジャンボなどの機体とそこから流れ出るスライド(緊急脱出用滑り台?)が現れます。一同、早速写真撮影に余念がありません。






ここで、実際に緊急脱出訓練を体験するわけですが、滑り台でケガをしないとも限りませんのでまずは、ラジオ体操で身体をほぐします。なお、ここでは訓練担当のCAお二人がリードしてくださいます。JALのラジオ体操はなんと英語バージョン。しかも、普通よりちょっと早い気がします。Forward~Back~Twist…など聞きとらなくてもまだ身体が覚えているものだなと再認識。合わせて、スライドを降りる際の姿勢についてレクチャーを受けます。前傾姿勢をキープするのがポイントですね。


体操を終え、階段を上がってモックアップ(機体の模型)へ。モックアップ中の機材は実際にジャンボで使用されていたものだそう。機内へ入ると、さらに6~7名のCAがお待ちでした。サプライズ!前回同様、20人程度の参加者のイベントにもかかわらず、ほぼ同数の社員がお手伝いしてくれるので、ありがたいを超えて恐縮してしまいます。ここで、いったん全員着席し、JALにおける保安訓練についてレクチャーを受けました。



中には穴守稲荷の御札がありました。

CAが受ける訓練は4つに分類されます。

1. 新人養成…8日間の保安要員訓練。試験があり、落ちると次へ進めず、制服も着られない
2. 復帰訓練…産休などで6か月以上休業した際に受ける訓練。
3. 型式訓練…機材によって仕組みが違う(例えば、777のドアは横にスライドして開きますが、767では上に上がって開きます)ため、行う訓練。
4. 定期訓練…毎年受験しなければならず、午前は筆記、午後は実技試験になっています。この試験をパスすると、あぁ1年が経ったんだな、と実感されるそうです(笑)


この後は、実際に新人養成訓練の様子を収録したDVDを駆け足で視聴。皆さん真剣そのものです。ちょっと青春チックでもありました。航空機の事故は離陸後3分以内と着陸前の8分間にほぼ集中していると言われ、その間CAは「Silent Thirty Seconds(STS)」は必ず次の5項目をイメージトレーニングして緊急事態に備えているのだそうです。

1. 衝撃防止…衝撃が収まるまで「頭を下げて! Heads Down!」と叫び続け、衝撃を軽減できるようにします。乗客は、前の席までの間隔に余裕がある場合は両足首を掴んで頭を下げる、間隔が狭い場合は、前席の背もたれに手を交差してかけ、そこに頭を載せる姿勢をとって衝撃に備えます。

2. パニックコントロール…衝撃が収まったら「大丈夫、落ち着いて! Stay Calm(だったかな?)」と叫びます。

3. ジャッジメント…現状把握「No fire, No fuel leaks…」窓から脱出できるか確認します。英語じゃなくてもいいんじゃない?と思った人は私以外にもいたと思いますが…

4. コーディネート…脱出可能と判断したら、「R1 OK」など、自分が担当するドアが脱出可能であることを伝えます。また、非常口近くの乗客に「あなたは人が殺到しないようにドアをブロックして、あなたは先に降りてスライドの脇で援助して」といったアシストを頼みます。

5. 脱出(エバキュエーション)…「ハイヒールを脱いで! No High Heels!」などと注意をしつつ、脱出を促します。




さて、いよいよ僕らがスライドを体験する番になりました。実際の緊急脱出訓練さながらに非常口近くでCAのサポートをする係を募られたので、ここは「男だった~ら♪」と挙手して自薦(笑)。おかげで、最初にスライドを滑り降り、下で降りてくる人を誘導する係を仰せつかりました。

そして、機体の照明が落ち、本番さながらの訓練開始。機長からCAに7分で乗客への状況説明をし、衝撃防止姿勢から脱出に備えろという指示があり、機内は一気に緊張感が高まります。始まってしまえば、指示を出すCAもイベント参加者も真剣そのもの。私のドアは脱出OKとなったので、さっそく両手を前に突き出してゴム製の滑り台を降りていきます。あっという間に着地。しかし、実際に不時着なんてことになったら大パニックで同じことが冷静にできる自信はあまりありません。下では、続いて降りてくる参加者をサポート。皆さん上手に降りてきてました。






2回目はスライド降下を撮影側、実践側に分かれて行いました。続いて、海上への脱出訓練。なんと、このモックアップの左側はこの訓練用のプールになっているのです。海上脱出の際は、当然、救命胴衣が必要になります。飛行機に乗ったとき、非常時のレクチャーを聞き流してしまう方がほとんどかと思いますが、実際やってみると(僕は2回目にもかかわらず)そう簡単ではありません。パニック状態でこれを行うのは至難の業でしょう。


CAの指示に従って救命胴衣を付け、今度は左側のドアからプールに落っこちないように慎重に脱出用ボートに乗り込みます。今回は20人強でボートはかなり窮屈な状態になっていますが、実際の定員は70人以上なのだそうです。こりゃ海に不時着、なんてことがあった場合は、タイタニックではありませんが、熾烈な競争が起こるのは間違いありません。


ボートは岸へ引き寄せられ、上陸して訓練終了。その間、JALスタッフの皆さんが参加者のカメラを預かって訓練の様子を写真に収めてくれていました。ありがとうございます。


さて、海上脱出訓練を終え、最後に救命胴衣膨らませてみます。空気を注入する紐をひくと、すごい勢いで空気入れ部分が膨らみ、足元は見えなくなるし、上半身の動きはままならなくなります。これでなぜ脱出時までは救命胴衣を膨らませてはならないかの謎がとけました。


航空機搭載の救命胴衣を実際見た方は少ないと思いますが、水に反応するライトがついていたり、他の人と連結できるようになっていたりと色々工夫がなされています。機体によっても違いがあり、JALでも今年就航予定のB787用の救命胴衣も既に用意されていました。また、乳児用もあります。

↑これが787用の救命胴衣…使われないことを祈ります


↑これは乳児用

本日のプログラム第一部の非常脱出訓練はここで終了。この後は場所を変えて、国際線エグゼクティブクラスでのお食事です。続きはまた後日。


JAL 日本航空



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