『Personal MBA』のジョシュ・カウフマンが、忙しい人が新しいスキルを身に付ける際に、短時間で効率よく習得するための手法を1/5で説明し、残り4/5で実際にこのメソッドを使って自身がヨガ、Rubyのプログラミング、碁、タッチタイピング、ウクレレなどを習得した記録が書かれています。
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著者が言う「超速スキル獲得法」を使えば、「明らかにうまい」レベルになるまで20時間の練習で済むといいます。その肝は、習得したいスキルをできるだけ小さなパーツに分解し、そのうち特に重要なものだけを見極め、それを意識的に練習するというプロセスです。
たいていのことは20時間で習得できる | ||||
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このプロセスは大きく、以下の4つのステップに分かれます。
- [分解] スキルを小さな「サブスキル」に分解する
- [学習] 賢く練習できるように、また練習中に自己修正できるように個々のサブスキルについて十分な知識を得る
- [除去] 練習のじゃまになる、物理的、精神的、感情的障害を取り除く
- [練習] 特に重要なサブスキルを少なくとも20時間練習する
超速でスキルを獲得するためのルール
- 魅力的なプロジェクトを選ぶ
- 一時に1つのスキルにエネルギーを集中する
- 目標とするパフォーマンスレベルを明確にする
- スキルをサブスキルに分解する
- 重要なツールを手に入れる
- 練習の障害を取り除く
- 練習時間を確保する
- すぐにフィードバックが返ってくる仕組みをつくる
- 時計のさばで一気に練習する
- 量と速さを重視する
これらのルールに則って練習することで、うまくなりたいと思いつつ始めるのをためらい、何年も意識的・感情的エネルギーを浪費することなく、学習曲線にドライブをかけてスキル獲得のスピードアップが可能になるわけです。
そして、著者はもう1つ「効果的学習のための10の基本ルール」というものも示しています。こちらのルールの方が具体的な気がします。
効果的学習のための10の基本ルール
- スキルとそれに関連したトピックについて調べる→20分かけて習得したいスキルに関連する本などの資料を3点以上見つけることで、スキルについて広範な知識を集め、全体像をつかむ
- わからなくてもやってみる→リサーチ段階でわからないことを気にしない
- 心的モデルと心的フックを知る→繰り返し登場する概念や技術、既知のものとの類似を知る
- 望んでいることの逆を想像する→最悪の事態をイメージする
- 実際にやっている人の話を聞いて予想を立てる
- 環境から気が散る要素を取り除く
- 覚えるために間隔をあけて反復と強化をする→記憶法を効果的に使う
- チェックリストとルーティンを設ける
- 予測を立て、検証する
- 自分の生物学的欲求を大切にする
著者の「超速スキル獲得法」として示されているのはほぼ以上のことで、残りは実践編になっています。読み物としては実践編の方が面白いですが、囲碁とウィンドサーフィンについては知識も関心もないので読み飛ばしました。正直なところ「え、これだけ?」と思う部分もありますが、ちょうど年始に読んだので、今年の新たなチャレンジに応用してみたいと思っています。
そこで、著者が本書で習得した「タッチタイピング」スキルを応用し、僕は親指シフト入力に挑戦することにします。備忘録として、著者がタッチタイピング習得時に使用したメソッドを書いておきます。
- PCのキーボード配列をColemakに変更する方法を学ぶ
- キーの位置を組み替え、迅速なフィードバックが返ってくる仕組みを作った
- Keyzenの練習プログラムを使い使用頻度の高い文字から位置を覚えていった
- 就寝前に45分練習した
- そこそこ打てるようになると練習プログラムを変え、英語でよく使われるダイグラム・トライグラムの練習することでタイピング速度と正確性の向上を図った
- 練習が22時間に達したところで目標の1分60ワードを達成した
20時間で親指シフト入力がまずまずできるようになるのか???うまくいったら諸手を挙げて本書をオススメします。
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