7月に家族で約1週間のアイスランド旅行をしてきたのですが、レンタカーに関して痛恨のミスをして返却時に788ユーロ=約95,000円もの賠償を課せられ、楽しかった旅行が最後にとても悔しく、嫌な気分になってしまいました。
レンタカー旅行をする方々が、こうした思いをしてほしくないので、今までに海外でレンタカーを借りた経験から注意すべき点をまとめてみました。
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契約内容・免責事項をしっかり読む
この項目は予約時の注意点で、いちばん重要なところです。英語が不得意で英文の契約内容や免責事項が理解できないのであれば、多少割高でも日本の代理店を通じて予約ができる会社を選択したほうが安心です。
今回、僕が賠償を課せられたのも契約書にサインするということを甘く見ていたことが原因で、サインをしてしまったら契約内容を誤解していたでは済まされず、容赦なく請求されます。そして、通常、トラブルが起こった場合、旅先で時間がない中での交渉となり、借りた側がサインせざるをえない状況に追い込まれます。
以下、特に注意が必要なポイントを挙げてみました。
- 基準走行距離
日本のレンタカーでは見かけない概念として基準走行距離というものがあります。これは、1日あたりの走行距離が定められていて、それを超えた分は、キロ・マイル単位○円(ドル、ユーロ等)といった規定の課金がされます。僕は、これをオーバーして支払いをしたことはないので確証はありませんが、実際のところ1日あたりの走行距離を記録することはできないと思われるので、総走行距離をレンタル日数で割って計算し、オーバー分が課金される仕組みでしょう。予定走行距離が長い場合は、基準走行距離をオーバーしないか計算し、走行距離無制限プランとどちらが得か考えて契約しましょう。
なお、もともと走行距離無制限しかない形態も多いです。 - 保険の内容を理解する
レンタル契約と同じくらい重要なのが保険です。保険料はバカにならないので、これをどうするかで実際の支払金額が大きく変わります。最低限の保険は強制加入となるので、それにどれだけオプションをつけるかよく考えましょう。
僕が今回車を借りたアイスランドは未舗装の道路も多く、道路によっては事故を起こしても通常の保険でカバーされないという規定もありました。自分には過失がなくても、相手に当てられる、跳ねた石でガラスや車両に傷や凹みがつくこともあり、旅先では過失や責任の所在などについて交渉をする時間がないことも考えると、フルパッケージにしておくのが安心ではありますが…保険料は高いですね。
保険の種類と内容については、以下のサイトを参照してください。
H.I.S.海外レンタカーオンライン予約 - 治安を考えて車種を決める
これは意外と盲点ではないかと思いますが、乗り捨ての場合、スーツケースなど大荷物を載せて運転をすることになります。荷物が多いと小型車ではトランクルームに収まらないことがあり、空いている座席にスーツケースやバックパックを置かざるをえません。
旅行する地域の治安にもよりますが、海外では車に荷物を放置して駐車するのは、ガラスを割られて荷物を盗られる危険があるので避けたほうがよいでしょう。そんなリスクを負うなら、少しプラスしても大きめの車を借りるほうが安心です。 - AT車とMT車
日本ほどAT(オートマティック)車が普及している国はないでしょう。発展途上国はもちろん、ヨーロッパでもMT車の方が多い国が多いのではないでしょうか。当然ATだと思って借りないよう、契約時にTransmissionをチェックしましょう。なお、当然ですがAT車を選択すると割高です。
車の状態をチェックする
- 確認書に記載のない傷や凹みは必ず申告
実は、今回、僕がやってしまったミスはコレでした。少し長くなりますが顛末を書いておきます。
車を借りるとき、Rental Agreementという確認書を渡され、契約内容と車の状態を確認しサインを求められます。僕がアイスランドで車を借りたSixtでは、カウンターが混んでいたこともあり、先に書類にサインを求められ、その後でキーを渡し「車は前で出ているこのナンバーのやつだから」という流れで手続きされてしまいました。車に乗る前に、一通り確認書に記載のDriver Side 2 Dents、 Scratch(運転手側に凹み2箇所、傷1つ)という箇所をチェックしたところそれらしいものが見つからず、反対側に30cmくらいの傷があったのに気づきました。その場でカウンターに戻って確認をしておけばよかったのですが、家族をピックアップする約束の時間がせまっていたこともあって、勝手に記載内容が運転手側と助手席側が反対になっているのだろうと都合のいい解釈をしてしまいました。
そして、旅を終え、空港で車の返却をした際にその傷について賠償を求められたというわけです。もともとついていた傷であること、スタッフによる車の立ち会いがなく先にサインをさせられたことなど30分以上説明をしましたが、全く聞く耳を持たず、「サインしたのはお前だろう、なんで気づいたならその場で言わなかったのだ」との繰り返し。結局、帰国便の時間が迫ってしまい、クレジットカードで788ユーロの支払いをせざるをえませんでした。帰国後、SixtのCS部門へ返金依頼のメールを送りましたが、返金には応じられないというだけの簡単な返信があっておしまい。
改めて、契約書にサインをするという意味を認識しました。必ずサインをする前に車の状態を立ち会いの下に確認し、不審点はクリアにしておきましょう。でないと、他人がつけた傷の弁償をさせられる可能性があるということです。 - チャイルドシートも自己責任
確かアメリカでは、レンタカー会社のスタッフがチャイルドシートをつけてはいけないことになっていたと思います。というわけで、日本のようにチャイルドシート付で予約しておけば車にちゃんと設置された状態で貸し出されることは海外ではありません。
いつも、オフィスやカウンターの裏に重なって置いてあるチャイルドシートを取り出し「はい、コレね」って感じで渡され、自分でつけさせられます。あわてずにしっかり安全を確認してつけましょう。 - ライト、給油口の開け方などを確認する
日本ではほとんど乗ることのない自動車メーカーの車にあたることも多いです。ライトや給油口などは、いざ使う時に分からないとあわててしまうので、借りたときに一通り動作確認をしておきましょう。ちなみに給油口は、日本車のように運転席周りにはレバーがなく、引っ張れば開くことが多いです。
以前、ワイキキで車を借りたとき、コンパクトで予約したのに大きなクライスラーの車を貸し出され、ヘッドライトの点け方がさっぱり分からないまま夜になり、信号待ちをしていたとき隣に停まった車のドライバーから「Headlight!」と注意されたこともありました。
左ハンドル車だと、ウィンカーとワイパーが反対についているなど戸惑うところが多々あると思いますので、本格的に運転をする前に落ち着いて動作確認をしておくと安心です。
返却前には早めに給油する
海外でレンタカーを借りる場合、空港で返却することが多いと思います。もちろん地域によりますが、海外の空港では必ずしも近くにガソリンスタンドがありません。帰国便の時間が迫っている状態で、ガソリンスタンドを探して空港周りをウロウロするのは精神衛生上よろしくないので、空港へ向かう途中ガソリンスタンドを見つけたら早めに給油しておきましょう。
なお、満タン返しの契約にもかかわらず、フルタンクでない状態で返却すると一般のガソリン価格よりかなり上乗せした燃料代を請求されるようです。
返却時も書類をしっかり確認する
これも驚くべきずさんさなのですが、カルガリー空港で車返却した際、違う車のレシートを渡されたことがありました。その時は、空港パーキング内の指定レーンに車を返すシステムでオフィスもなかったので、薄暗いところでボンネットの上で書類を渡され、適当にサインをしてしまいました。後で、空港に入って明るいところでよく見たら、他人の名前が書いてあり、違うレシートだと気づきました。
これは海外だからということではなくスタッフ個人のミスですが、どうしても英語の書面を急いでいる状況で渡されるとまともに読まずにサインをしてしまうので注意が必要です。
レンタカーオフィスが見つからない
乗り捨ての場合、車を借りた店舗ではないところで返却するので、レンタカー会社のオフィスを探すことになりますが、これがなかなかトリッキーで、いくら探しても見つからずウロウロしていたら店舗がなく、駐車場内のスペースだったということがありました。必ずしも外から見えるところに店舗があるとは限らないので、注意しましょう。
まとめ
家族旅行をするようになって海外でレンタカーを使うようになりましたが、わずか4回ほどの経験でもいろいろありましたので、深刻な事故ではなくてもちょっとしたトラブルはかなりの確率で起きると考えてよいのではないでしょうか。それとも僕が不注意すぎるのか…
時間がない中で英語で説明され、そして書類にサインを求められる。このプレッシャーに負けてしまうと適当に読み飛ばして、Yesと答えてサインをしてしまいます。その結果、運が悪いと自分の責任でないことまで損害賠償を求められたり、課金されたりするわけです。
繰り返しになりますが、こうしたトラブルを避けるためには、車を借りるとき、返すときとも時間に余裕を持つこと、英語に自信がなければ安全策をとって多少高くても契約や保険の内容を日本語で確認できるサイトをや日本の代理店を通じて予約をする、ハワイなどでは日本語対応が可能な会社を選ぶなどの手段を講じるとよいでしょう。
トラブルの可能性があるとはいえ、車を使うと旅の自由度は飛躍的に増します。十分な注意をして海外ドライブを楽しんでください。
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