【読書メモ】マニャーナの法則完全版(マーク・フォスター著 )

タスク管理ではよく目にしていた本、「マニャーナの法則」が2016年に完全版として発行されたので、遅ればせながら読んでみました。話の肝は、新しくきたメールや仕事にいちいち反応して作業するのではなく、緊急でないものは明日着手することを原則とし、1日にすべき仕事の量を制限しきっちり片付けていくというものです。


1. 今日新たに発生した仕事を集めておく
2. 仕事を類別する
3. 類別した方法に従って翌日まとめて処理する

本書を読んで早速試してみましたが、間違いなく効果アリです。集中してリストに書かれた仕事に取りかかり、終わったら消していきます。それによって、その日に予定していた業務はしっかり18時までに終えることができました。

今までも毎朝To Doリストを作成し、それを消し込むように作業をしていましたが、上司からの指示やメール、電話などの割り込み仕事に対応するために、日によってはリストの半分も手付かずで翌日に持ち越してしまうことが多々ありました。こういう状況になってしまっている人には、ぜひ「マニャーナの法則」を読んで実行されることをオススメします。

ただ、実際問題として、指示された仕事にその日は着手しないというのは、なかなか気まずいものがあります。「自分はこういう仕事のスタイルだから」という周囲からの理解を得るのは、ある程度のポジションの人なら許されるかもしれませんが、若いうちはちょっと難しいかもしれません。

脳の性質を理解する

◆人間には、理性の脳と衝動の脳があり、衝動の脳が強い。刺激に対して反応するのが人間の性質であり、そこに理性の入る余地はない。これが、計画通りに進められない原因であることを認識する。

◆機能するシステム 7つの法則

  • 明確なビジョンを持つ→「何をしないか」を決める
  • 一事に集中する
  • 少しずつ頻繁に行う
  • リミットを設ける
  • クローズリストを使う
  • 突発の仕事を減らす
  • コミットメントと興味を区別する

◆TO DOリストの問題点

  • 仕事の効率が悪くなる
  • 仕事を抱え過ぎることになる
  • 時間が足りなくなる

→著者によると、この3つ以外に仕事をやり残す原因はないそうです。確かにそうかもしれません。

◆優先順位と効率は何の関係性もない
→この言葉は衝撃的でした。仕事を進める上で「優先順位をつける」というのは鉄則だと思いこんでいましたが、確かにクローズリストを作って、そこに書かれたことは全て終了させる前提であれば、どこから手をつけてもかまわないわけです。
仕事の指示者との関係においては優先順位を意識する必要がありますが、自分が今日中に終わらせる仕事については、仕事を区切って新たなタスクを加えないことが重要であって、優先順位は問題ではなかったのです。

◆「仕事をこなす」ことと「目標に向けて行動する」ことは別である。「忙しいだけの仕事」を捨てる。
→これは、訳者があとがきで強調されていたことですが、これを意識して仕事をしているかどうかで成果がまるっきり違うでしょう。毎日遅くまで仕事をしているのに評価が低いと思っている方がいたら、自分が仕事をこなすだけになっていないか再チェックする必要があります。

◆「ノー」を上手に言う。新たな仕事に着手する前に「この仕事は既存の仕事より価値があるか?」を考える。
→クローズリストを実行するとき、問題になるのが仕事の指示や依頼にどう対応するかです。指示された仕事の締め切りを確認し、明日以降の着手でよいか了解をとるのがベターに思います。また、指示に対してNoを言う場合は、代案もあわせて伝えるべきでしょう。

◆クローズリストを活用することで効率を上げる
→仕事を時間内に終わらせるためには、上述のとおり効率を上げることと、仕事を抱え込まないことが条件になります。効率を上げるためには、衝動的に仕事に手をつけるのではなく、自分と仕事の間にバッファーゾーンをとって整理し、1つずつ集中して行うことが鉄則です。そのためにマニャーナの法則では「明日やる」を原則にしているわけです。

◆最優先のタスクを「ファーストタスク」にする
→著者は「ファーストタスク」とは、毎日の最初に行い、そこから1日をスタートさせるのが望ましい仕事と定義し、そのタスクは、以下のように進めなければならないとしています。

  • とにかく、する
  • 一番初めにする
  • 毎日する

◆Will Doリスト
→今日必ずするとコミットした仕事だけのクローズリストを「Will Doリスト」と呼んでいます。これに載せるのは以下の6種のタスクです。
1. ファーストタスク
2. 昨日のメール対応
3.昨日の電話への対応
4.昨日の書類の処理
5. すぐに完了する仕事
6. デイリータスク

◆ダッシュ法を使って集中力を高める
→いわゆるポモドーロテクニックです。本書では、いくつかのバリエーションが紹介されています。

◆休憩はキリのいいところでとらない
→脳の性質として仕事が「終わった」と判断した場合、休憩後に仕事に復帰するのが面倒になるそうです。「まだ終わっていない」状態でいったん休憩をとれば、脳は「やり終える」モードになっているので、仕事への復帰がスムーズになります。

まとめ

タスク管理の第一人者である佐々木正悟さんが太鼓判を押したのも納得の一冊でした。毎日、仕事が定時に終わらないという方(ほとんどのビジネスパーソンかもしれません)には、ぜひ読んでいただきたいです。

また、上司の立場にある方にも、本書を読んで、仕事を指示する時は指示を受けた部下がバッファを持って仕事にあたれるような配慮を持つことで、職場全体が残業続きで疲弊する状況を避けられることを認識してほしいと願います。

僕もかつて仕えた上司に、口癖のように「大至急」と言っていた方がいました(誰のことか分かってしまったらスイマセン)。前任者からその課長に替わった2年間は課の疲弊がひどかったのを思い出します。その頃にこの本に出会っていれば…と思わずにはいられません。

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