奈良・京都秘仏めぐり(その6 秋篠寺)

海住山寺を出た後は、一度木津から学園都市線で祝園 (ほうその)まで戻り、近鉄に乗り換えて平城へ移動。ここから徒歩で秋篠寺へ向かう。

秋篠寺といえば、伎芸天が有名なのだが、11月8日から大元帥明王立像が特別に開扉されるということでこのタイミングで行ってみることにした。
平城駅からは、競輪場の敷地を抜けて10分ほどで到着。ひっそりとした感じの東門から入り、角を曲がると美しい苔庭が現れる。






その先の受付で拝観料を払って境内に入る。すぐ左が大元堂でここに大元帥明王立像が祀られている。早速、靴を脱いでお参りに上がる。すぐ目の前で拝観できるようにされており、迫力満点の明王像を見ることができた。手が6本あり、10匹の蛇が巻き付いている忿怒像だ。ここに来るまで大元帥明王という名前は聞いたことがなかったのだが、それもそのはずで、その仏像は日本ではここにしかないのだそうだ。





さて、大元堂の参拝を終え、国宝の本堂へ。建物自体は非常に質素なので国宝指定がちょっと意外な感じだ。しかし、中はまさに仏像の宝庫。薄暗い内部には伎芸天、ご本尊の薬師如来をはじめ、10体近くの素晴らしい仏像が並んでいる。その一番左が伎芸天だ。この伎芸天も、現在日本にはこの秋篠寺にしかないという貴重な一体。しかし、頭以外はオリジナル(脱活乾漆造)ではなく、鎌倉時代にくっつけられた木造のものなので、この像が伎芸天だったのかどうかを疑う説もあるそうだ。ま、言われはどうであれ、この像が美しい傑作であることに異議はないだろう。




このお寺では、間近で拝観できる上、暗い堂内で仏像がいい具合にライトアップされているので非常に雰囲気が楽しめる。暗くてよく分からなかったが愛染明王も祀られていた。寺の知名度としてはやや劣るが、納められている仏像の充実度では奈良トップクラスと言って間違いないだろう。


帰りは南門から出て、大和西大寺まで歩いて行く。大和西大寺という駅は近鉄の要所のように思えるのだがあまり駅前はさえない感じ。またも駅構内のChaoPressoでせんとくんカプチーノを飲んで、アンデルセンの食パンで古都らしくない昼食となった。

[help]秋篠寺: 最寄り駅 平城or大和西大寺、 拝観料 500円[/help]

本日の1曲 Kate Bush「Babooshka」

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