Day111 PIMS視察

久々にイスラマバードに戻ってネットで情報収集したりして過ごす。この日記がたまっているので記憶をたどりながら入力していく。さすがに9日分はかなりの作業だ[:たらーっ:]
午前中は次の支援キャンプが始まるまでしばらく督永家で居候生活になるので本棚の片付けを手伝ったりして過ごす。ここの蔵書数はかなりのもので、僕が今まで読んだ本の数の数十倍はあるだろう。
午後はPIMS(Pakistan Institute of Medical Science)の敷地内に作られた被災したケガ人収容テントの様子を視察に出かける。PIMSの入口にはここで手当された患者の写真がたくさん貼り出されていて頭が陥没している子供など見ているだけでとても痛々しい。写真を真剣に見ている人は「重傷なのでイスラマバードへ移送する」とだけ言われてヘリコプターに乗せられた家族や親戚を探しているのかもしれない。
入口近くの庭には数十張の白いテントが並んでいる。その中にベッドが入れてありケガをした患者と家族が住んでいる。どこから来たのか聞くと、多くの家族はカシミールからだった。カシミールの被害状況はバラコット以上なのだろうか?
しかし、思ったより明るい表情が多くほっとした。写真に気軽に応じてくれる人も多い。近くには仮設病棟もできており、空きベッドもあって切羽詰った様子は感じられなかった。地震後2週間が経過し、緊急に処置をしなければならない被災者はほとんどいなくなっているのかもしれない。ここでも医療活動はピークを超えたことが感じられる[:ニコニコ:]
しかし、問題はこれからやってくる冬だ。被災地は山間部が多いので当然標高が高く、気温は低い。冬になると積雪が普通の地域で家のない暮らしを続けなければならない人が十万単位になることが予想される。日本で地震が起こるとほどなく仮設住宅が作られ、当面そこで暮らす場合が多いが、パキスタンの山間部でそれを期待するのは無理というものだ。この冬はテント暮らしをするか親戚の家にでも身を寄せることになるだろう。
オフィスに戻って、今後の継続支援方法について頭を悩ませる。我々のような小さなNGOにできる最適な支援方法とは何なのだろうか…できるだけ多くの被災者に行き渡る支援をしたいし、同時にいちばん困っている人たちへ十分な支援をしてあげたい。ビジネスでもよくあることだが「質と量」の最大公約数を求めるのは難しい。

本日の1曲 Motley Crue「Without You」

↓PIMSのケガ人収容テントにて

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