Day186 タクシーオヤジとの戦い

シーラーズからのバスは12時半近くに出発したにもかかわらず早朝6時にはイスファハンに着いてしまった[:たらーっ:]
一昨日と同様明るくなるのを待って出発。バスターミナルを出たところに市バス乗り場があるのだが(先に買っておかなければならない)チケット売り場に人がいないうえ、ガイドブックに書いてある市内行301番バスがいつまで待っても来ないので乗合タクシーをつかまえることにする。人が乗っているタクシーを選んで停め、市内を南北に走るチャハール・バーグ通を告げて200トマーン(=2000リアル)でいいなと言って乗り込む。先客はすぐ先で降り、20分くらい貸切状態のまま市内で下車。200トマーンを払って行こうとするとドライバーのオヤジが2000トマーンだと言う[:ぶー:]
イスファハンはこの手のボッタクリドライバーが多いとは聞いていたがさっそく引っかかってしまった。ガイドブックによると乗合だと100トマーンが相場となっていたので、インフレを考えても200トマーンあれば十分なはずだ。
ボッタクリオヤジの圧力に屈することなく、とにかく金を握らせて去ろうとするが、このオヤジは本気で怒りはじめ(言葉は通じないが)だったらまたバスターミナルまで戻らせてやる、みたいなことを言って強引にバックパックをトランクルームに入れようとする。そんなことされてさらに倍額を請求されてはたまらんので、その手を振り払い英語で怒鳴りつけ立ち去ろうとするが、オヤジは手を離さず、あと1000トマーンよこせと食い下がる。
そのやりとりを見ていた向かいのホテルのベルマンがやってきて、オヤジの話を聞きあと1000トマーン払ってやれと英語で言うが「もともと客が乗っていたんだから乗合タクシーのはずだ。その後客を乗せるも乗せないも俺の知ったことじゃない。だから乗合の相場以上は払わん。」と突っぱねる。すると、タクシーオヤジは怒り収まらず、警察を呼んでやると、ベルマンと一緒にそのホテルへ入っていった。警察と話すのはかまわないが、俺は夜行明けでさっさと部屋で一眠りしたいのだ。付き合っていられないので、車の中に200トマーンを投げ込んで勝手に宿探しに出かける。100mほど先にある宿で値段を聞いていると、さっきのタクシーオヤジが血相変えて走りこんできて、また金を払えと吠える。宿の人が仲介に入ってくれ、200トマーンはこの町では通り2つ分くらいの値段にしかならないからあと1000払ってやれというので、不愉快だったがあと200トマーン追加してやった。
これで収まるかと思ったが、強欲オヤジはまだ納得せず吠えまくり、車のキーを指に挟んで「お前の顔を切り裂いてやる」といわんばかりのファイティングポーズを見せ、ジャブまで繰り出してきた。100円のためにケンカするのは嫌だが、ボリに屈するのはさらに嫌だ。再度、宿の人経由で乗合タクシー分の料金は払ったからこれ以上は払わんし、金もないと言ってもらい、オヤジが掴む手を振り払ってここを出る。後はスタスタと歩いていくだけ、オヤジは後ろでまだ吠えていたので、追っかけてくるかとも思ったがさすがにあきらめたらしい。不愉快極まりない1日の始まりだ。

この後、近辺の宿を当たってみるが質の割に値段が高い。以前泊まった安宿に行くことも考えたが、この宿で寝ているとき夜中何かが顔の上を這ったのであわてて手で払い気味悪い状態のまま朝を迎え、ふと横を見るとバックパックの上に巨大ゴキブリが触覚を動かしながらこっちを見ていた、という今思い出しても背筋が寒くなる思い出があるのでどうも気が進まない。結局、予算オーバー(13万リアル)ながらいちばん最初の宿(Hotel Aria)に値切ってチェックインすることにした。ここも暑いくらいの暖房が入っていて快適。同料金の周辺宿と比べるとコストパフォーマンスは抜群だ。歯を磨いてさっそく仮眠[:zzz:]
目覚めたらもう12時過ぎだった。シャワーを浴びて町へ出かける。まずはすぐ近くにあったイラン航空オフィスに行ってテヘラン→ダマスカス便のスケジュールと料金を確認。週3便で約150ドル。陸路移動だと5日くらいかかるだろうから飛んでしまおうかな。ま、後で時間をかけて考えるとしよう。
続いて鉄道予約オフィスへ。テヘランまでバスで行くとたぶん5時間くらいで着いてしまうので、もうちょっと時間がかかって横になれる列車での移動を考えたわけだ。バスよりちょっと高い(31000リアル)がたまには列車もいいだろう、明日の夜行を予約。チケットには英語が一つも書いておらずチンプンカンプンだが、明日の9時半発テヘラン行だというので信じることにしよう[:イヒヒ:]
ここを出て食事をとってようやく観光開始。まずはザーヤンデ川にかかる美しい橋巡りといこう。ザーヤンデ川にかかる橋は「世界美しい橋コンテスト」をしたら上位入賞確実だと思う。スィー・オ・セ・ポルを渡って対岸を歩き下流のポレ・ハージューまで行く。葉が落ちた冬の散歩道も風情があっていいものだ。前回来たときはザーヤンデ川が干上がっていてゴミが散乱した川の跡を見てがっかりしたものだったが、この時期はちゃんと水が流れていた。実のところ、今回はこの橋とエマーム広場を見るためにイランに来たようなものだ。ちょっと残念だったのはシーズンオフのためチャイハネが開いていなかったことくらい。
さて、また北岸に戻ってエマーム広場へ行ってみる。ゆっくり見物するのは明日のつもりだが、万が一雨でも降ってしまうと困るのでとにかく見に行くことにした。30分ほど歩いて広場に到着。前回、初めてここに足を踏み入れたときは本当に別世界に来たような気持ちになるほどそのスケールの大きさに圧倒されたものだ。さすがにもう同じような感動は味わえない。マスジェデ・エマームへ行って星空を思わせるようなブルーのタイル張りゲートを見上げると気が遠くなるような気分になる。さすがに冬は観光客が少なく巨大な広場も閑散としている。一回りしてお決まりの展望チャイハネに上がってチャイを飲み、夕暮れの広場を眺めて宿に戻る。

本日の1曲 Kinki Kids「青の時代」

↓ポレ・ハージュー

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