Day185 流れは止められない

昨夜は数日分の日記をつけたり今後のスケジュールを立てたりして1時頃まで起きていたので今朝はゆっくりする。
イランはバスが安く快適で宿が高いので夜行バスを多用するのが得策だ。そのため今夜もバスでイスファハンに移動することにする。荷物を預かってもらいチェックアウト。まずはネット屋の情報などを聞きにツーリストインフォに行ってみることにした。
ここの兄ちゃんは親日家で(かといってたかってくるタイプでもなく)ブースの中に入れてくれ2時間ほどいろいろ話をして過ごした。彼も言っていたがシーラーズの人は比較的おだやかな気がする。

いちばん気になっていた女性の服装について話を聞くと「(前に僕が来た)5年前はハータミー政権の2年目くらいでまだ保守的な面が強かったけど、彼はその後自由化路線を進め、不満があるなら政府に訴えられるようなシステムを作っていった。その自由化の影響で女性の服装もだいぶ西洋的なものになっていった。テヘランに行ったら、スカーフを申し訳程度に頭にかけただけの女の子をたくさん見かけると思うよ。そうそう、化粧がひどいのは僕も完全に君に同意するよ。[:たらーっ:]」といった説明をしてくれた。
続いて、でも昨年大統領がハータミーから保守的な人に代わったよね。それによってまた締め付けが厳しくなって保守的な社会に戻ってしまうんじゃないの?と聞いてみる。
「いや、もう自由化の流れは止まらないだろうね。もはや政府(=新しい大統領)の言うことなんて誰も気にしてないよ(Nobody pays attention to the government nowadays)。」というのが彼の答えだった。ハータミー政権の進めた自由化は(特に若い世代を)イスラム伝統的価値観から個人主義的価値観へと急速にシフトさせてしまったらしい。とすると、イランではこの先、西洋的なファッションやコスメがビジネスチャンスになるかもしれない[:グッド:]
また、昨日気づいた入場料の値下げについては「昨年、外国人料金が撤廃されたんだ。今まではイラン人と外国人で10倍の差があったからね。いいことだと思うよ。ただ、政府管轄でないところについては相変わらず外国人料金が残っている場合もある、シーラーズだとエラムガーデンなんかがその例だね。」ということだった。ということは他の町でも遺跡などの入場料は大幅に下がっているはずだ。ラッキー[:拍手:]
午後になって彼に別れを告げ観光開始。まずはシーラーズ随一の見所であるシャー・チェラーグ聖廟に行ってみる。ここはモスクではないので、内部は(マシュハドのイマーム・レザー聖廟と同様)鏡張りでギンギラしている。本来ならムスリムしか入れないのだが、靴預かり所のおっちゃんは「ミスター、日本人か。Welcome!」と何の躊躇もなく入れてくれた(笑)。前述のとおり、最近はイラン人女性でもチャドル着用でない人が多いので、彼女たちも聖廟内に入る前にチャドルを借りていた。以前では貸しチャドルなんて外国人専用だと思っていたが…面白いものだ。
ここを出てマスジェデ・ジャーメを探すがなぜか見つからず。修復中で門が閉じられていたのかもしれない。さらにマドラセ・イェ・ハーン、マスジェデ・ナシーロル・モルクとイスラム建築巡りを続ける。後者はガイドブックにも載っていない小さめのモスクだが、ややピンク系のタイル装飾が非常に美しい。入場料15,000リアルと高いが、見る価値は十分あると思う(ちなみに入場料が高いので入るのを渋っていたらおっちゃんが無料で入れてくれた)。なお、ここにはマスジェデ・ヴァキールと同様の「くねり円柱」もある。
このあたりで日も暮れてきたので、ザンドに戻ってネット屋を探す。兄ちゃんに教えてもらった2軒は金曜のため休みだったが、たまたまADSLが引いてある日本語OKの店を見つけることができた(8000リアル/時間)。
7時過ぎに宿に戻り、荷物を引き取ってバスターミナルへ向う。11時発のイスファハン行ボルボを予約し、バスターミナルで本を読みながら出発を待つ。ボルボで3万リアルだから安いものだ[:ポッ:]

本日の1曲 Bebel Gilberto「Tanto Tempo」

↓マスジェデ・ナシーロル・モルク

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