チベット蜂起から50年

明日2009年3月10日は、1959年年3月10日にラサで起こった中国に対するチベット蜂起からちょうど50年にあたる日だ。ダライ・ラマ14世も同年インドに亡命をし、亡命政府での暮らしが近々50年を迎える。
今年2月からほぼ隔週で行われている地元川崎市の 平和・人権セミナー「『チベット』から現代を見る」に参加しているが、複数の講演者の話で共通しているのが、昨年のチベット蜂起(暴動)以来の、ラサでの監視、警察、軍による締め付けの厳しさと、チベットでの(中国共産党による)建前だけの信教の自由。
現在、ラサではバルコル周りなどいたるところに監視カメラが付けられていて、24時間監視体制が確立されたいるらしい。僕が初めてラサに行ったころは、まだデプン寺の若い坊さんが部屋に招いてくれていろいろ話もしてくれたものだが、今そんなことをしたら即刻しょっ引かれてしまうのだろう。旅行者も迷惑がかからないように行動には気をつけなければならないだろう。
また、中国共産党は何かにつけチベットを解放し、現在に至るまで信教の自由を保証しているとプロパガンダを繰り返し、日本政府もそれを表面上鵜呑みにしているが、実際はチベット自治区内の僧侶は名ばかりで、まともに仏教を学ぶ環境もなければ師もいないという話もよく聞いた。
チベット人は(物質的に)多くを求める種族ではなく、仏教の教えに従って精神的な豊かさを求めて生きる種族だとスピーカーのチベット人が話していたが、中国の支配下では隣国ブータンのようにその思想で生きていくことは無理なのだろう。

ダライ・ラマ14世が古希を過ぎた今、チベット人にとって昨年の北京五輪と明日のチベット蜂起50周年に連動した抗議行動は最期のチャンスともいえるもので、これで世界の支援を得られなければ法王の目指す中道のアプローチも実を結ぶことは難しいようだ。
(自殺行為ともいえる行動を期待しているわけではないが)明日、チベット人が中国共産党に対して何らかの抗議行動を起こしたならば、それが少しでも多くの議論、チベット問題への理解を促す活動につなげていきたい。

本日の1曲
Dream Theater「Surrounded」

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