アメリカで財をなした日本人女性が、彼女が成功のキーと考える「信用力」について現代の日本人に向けて書いた提言(苦言も?)。
今の自分は、自分がしてきた「選択」の結果できているもので、「選択の自由」は誰にも与えられている。そして、これからの自分を作るのも毎日の自分の選択次第。仏教の概念でいえば因果応報ということ。当然といえば当然なのだが、僕のような人間は、たまにこういう本を読んでそれに改めて気づき、ムダに毎日を過ごしてはいないかと自問する必要がある。
そういえば、途上国を旅して、日本人でよかったと思ったことは、選択肢のある人生を送ることができるということだった。世界には、自分の置かれた環境の下でほとんど選択肢のない生活を送っている人がたくさんいる。その現実を知ると、選択肢がある環境で生きているという事自体、恵まれていると感謝すべきなのだ。
さて、本書では事前に著者が断っているとおり、自分が資産を形成してきた不動産投資のやり方について触れているわけでも、投資を勧めているわけでもない。「真の豊かさ」は金や財ではないという前提で、その豊かさを手に入れる方法を現代の日本人に教えている。自分の周りを見る限り、それほど金に囚われているような日本人ばかりとは思えないのだが、アメリカから見るとそう感じるのだろうか…
著者は、日本人が勘違いをしがちな言葉として「ギブ・アンド・テイク」をあげ、見返りを期待して与えるのではなく、見返りを期待せず、相手に対しては結果を出すことをしなければミリオネアの信用力は得られないと述べる。多くの人が陥っているサバイバルモードではなく人助けモードで生きよ、それがミリオネアの信用力を手にする道であり、成功へ通じるものだと。確かに、そういう生き方をしてミリオネアとなった人からするとそういう結論かもしれないが、ミリオネアというレベルを望んでいるわけでもなく、いろんな不安を抱えながら日々を生きている一般人には「あ、そうか奉仕すればいいのね」と簡単に実践するのも度胸がいる。あっという間にカモにされるリスクもあるわけだから…現実はどちらなのか?
以下、本書を読んで覚え、実践していくべきポイント。
- 知識と情報の違い…情報に自分の経験を加えて知識に高める。そのためには失敗も必要。ストリート・スマート(社会勉強を積んだ人)が成功する。
- 信用力がなければ情報は得られない&信用力は一朝一夕にはできない…「嘘をつかない、ごまかさない」愚直な生き方の積み重ねしかない。
- 戦後、日本人は、善悪ではなく損得を行動基準にしてしまった。アメリカ(プロテスタント)的価値観の柱=信仰・勤勉・社会貢献との違い。
- 労働所得と不労所得。労働所得に頼るのは一輪車で一生を駆け抜けるようなもの。投資や緊急用貯金のたけのお金をかせぐ副業、キャッシュ・フローを得るための投資、キャピタル・ゲインを得るための投資でリスク分散し四輪車で安定性を確保すべき→お金のリテラシーを上げる
- ウォーレン・バフェットの言葉「悪い人とはよい取引はできない」
- 利己的な目標ではなく、その先の「夢」を目標とすることで1ランク上のミリオネアの人脈を築く
- ハイテクの時代だからこそ現場、現物、現実を見に行くべき。ハイタッチ=人との触れ合い。礼儀作法を大切にする。
- 本物とニセモノを見分けるために…1.相手はなぜ近づいてくるのか?、2.相手は何で儲けているのか?、3.相手の信用力は?を考える。有名人の名前を次々にあげるタイプは要注意。
- 本物のミリオネアのサークルに入るためには、見栄、知ったかぶりはせず、誠実に素直な心で接する謙虚な姿勢が大事
人助けモードから入れ。サバイバルモードではまともなビジネスの相手として扱ってもらえなくなる。人に借りを作るより貸しを作れ。
奉仕は自己犠牲ではない。博愛と人間としての器の大きさがある人は人助けモードで動ける。 - 資産価値がある(持っていると買った時よりも価値が上がっていく)物に金を使う=投資→生き金、資産価値がない物に金を使う=消費→死に金
- 成功者のメッセージに共通するもの…好きなことをする、決してあきらめない、自分の為に時間とお金を投資する
本日の1曲 Huey Lewis and the News「The Heart Of Rock & Roll 」
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