【読書メモ】数字力の教科書(久保憂希也著 大和書房)

まえがきに書いてあるが、著者(@kuboyukiyaさん)によると「数字力を持ち、合理的な感覚で意思決定している人は多く見積もって3%」しかないという。ワンマン経営者が感情や感覚で意思決定するのはよくある話だが、それなりの組織で決定をしていくためには「数字」抜きにしてはまとまるものもまとまらないというのはもっともだ。

本書では、意思決定における数字の持つ客観性が、感覚によって引き起こされる合理性のない決定と分かりやすく比較されている。そして、様々な例が筆者の主張に説得力をもたせている。類書はいろいろあるように思うが、ビジネスマンなら読んでおいて損はない1冊。

以下、箇条書きメモ。
最終提案ゲーム 自らの利益を最大化するための選択は?
・定量的な分析を心がける(議論が定性的な話になるとまとまらない)
・何かを計画する時は目標の数字を出すこと、結果検証の責任者を決めておくことが必要・問題解決のカギは目標と現実の間にある
・ギャップを数字で示し、それをどう埋めるかを具体的に考える
・三木谷浩史の「2時間の会議を12分にする」回数、参加者、時間を半分にすることで1/2の三乗の効果を実現
・意味のある数字をつかむ 数字で見るグリーとmixiの差 フロー収入・ストック収入 従業員一人当たり営業利益
・問題解決には、イシューツリーでブレイクダウン ただしツリーの一番頂点は「利益」とする
・数字を比べるポイント→1人当たりや1店舗あたりに分けてみる
・覚えておくべき数字(人口、GDP、貯蓄、市場規模など)ざっくりでいい
・直感に頼らない モンティ・ホール問題、丁半ばくち
・数字のトリック 50人に1人無料=2%割引、前提を疑え、累計グラフにすれば100%右肩上がりになる。アンカリング、3つの中から選ばせると真ん中を選択する

正しい意思決定とは→客観的で合理的な意思決定
プロセス
1. 前提を確認する
2. 他の選択肢を検討する
3. 判断材料を定量的に表す

・サンクコストを判断材料にしない
将来の利益は割引して考える
機会損失を意識する

本日の1曲 The BEATLES「In My Life」

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