法事で延岡に帰ることになったので、1日早く出発し、由布岳に登ってから由布院で温泉に入ってくることにしました。羽田発大分行JALのいちばん早い便(8:00発)で大分空港到着が9:30。由布院行の高速バスが9:45発とちょうどよく接続されています。大分空港は大きくはないので荷物を預けていなければ15分あればバスに乗れないことはなさそうです。ちなみに、バスに乗る際は先にインフォメーション左にある自販機で乗車券を購入しておきます(由布院まで1500円)。
由布院まで高速道路があるので1時間で到着。バスは駅のすぐ近くのバスセンターに着きます。観光案内所が駅構内にあり、簡単な登山マップもここで入手可能です(かなり大ざっぱな地図なので事前にちゃんとした地図を用意することをお勧めします)。
登山情報ではありませんが、由布院の宿は駅の近くには少なく、少し離れたところに点在しているようです。由布岳は、きれいな独立峰で由布院の町からはどこからでもドドーンとそびえている様子が見えます。僕は川上というエリアにある「香洛庵」という宿に泊まりました。非常にリーズナブルでお勧めの宿でしたので、この宿については別にpostします。途中、お昼や水など食料を購入して宿には10:30頃到着。部屋に入れてもらい荷物を置いてから、いざ由布岳へ出発。
由布岳への登山ルートは、西・正面・東の3つがあり、一般的なのは正面口、最短は東、長いのが西です。このうち、バスが通っているのは西・正面ですが、本数は少なく1時間に1本くらいです。宿のある川上からは、金鱗湖近くの西登山口が最短で、正面口までは車道を約5km余分に歩かなければならなそうです。バスがあれば正面口から登るつもりでしたが、45分くらい待たなければならなかったので、西登山口からアプローチすることにしました。地図や標識では「一部ルート不明瞭のため上級者向き」みたいなサインを見かけましたが、実際はルート上にたくさんの案内があり、まず迷う心配はないと思います。個人的には正面口より断然楽しい山歩きになると思います。むしろ、こういう書き方をすることで、登山者を正面口に集中させ、その他のルートを使っている人が遭難事故にあっても気づかれにくいというデメリットにもつながっているように思いました。
さて、西登山口は、県道沿いのローソンから少し行った左側にあり、一見「え?!」と思うかもしれませんが、標識やテープに気をつけて道なりに進めば問題なしです。畑の脇を登って、墓地の上を過ぎ、しばらく植林帯のきつい斜面を登ります。
新緑が眩しい樹林帯を15分くらい登ると、眼下に由布院の街が見えました。
30分ほどで樹林帯の急登を抜け、山頂が目の前に現れます。また少し歩くと森に入り、さらに10分弱歩くと、モンゴルのような草原に出ます。ここからしばらくの草原歩きがこの西ルートの醍醐味でしょう。晴れた日は本当に気持ちいいです。
こういうだだっ広いところは、どこでも歩けるだけにルートを見失いがちなので標識に注意しながら歩きましょう。しばらく歩いて標識やテープが見当たらなかったら引き返して確認することを考えたほうがよいかもしれません。
15分ほど草原帯を歩くと水場に出ます。ここは大分川の水源だそうです。この先しばらく林の中を歩きますが、標識のかわりに所々テープが貼られているので心配はないでしょう。
10分ほどで飯盛ケ城への分岐に出ます。草原の中にあるこんもりした丘のような山です。ここはスルーしてさらに5分ほど歩くと、正面登山道との合流地点「合野越」に出ます。ここまでコースタイム90分となっていましたが、70分ほどで来たのでなかなかいいペースです。やっぱり一人だと早い。なお、西ルートを歩いている間は一人も登山者に会いませんでした。
さて、ここで昼食をとっていると外国人カップルが降りてきて西ルート方面を探しているようだったので、情報をシェア。標識は所々にあっても、漢字が分からないと不安だろうな…登山標識もローマ字併記にすべきでしょう。
15分ほどお昼休憩をとって出発。しばらく林の中を歩きますが、それを抜けると山頂がだいぶ近くなって再び姿を現します。眼下にはさきほどの飯盛ケ城、県道、そして由布院の街が一望できます。20分くらい、歩きやすい大きなジグザグ道で高度を稼ぎます。ジグザグを終えると岩がゴツゴツした道になり、斜面もきつくなります。ひと頑張りするとマタエと呼ばれる東峰・西峰の分岐点に出ます。
西峰の標高が1583m、東峰が1580mと西峰のほうが少しだけ高いですが、こちらには鎖場があり、初心者は避けたほうがよいかもしれません。技術的に難しいわけではありませんが、下を見ると怖いので、足がすくんでしまう方もいらっしゃるかと思います。
そういいつつ、僕は西峰に挑戦。15分ほどで山頂につきました。合流後は、7~8組すれ違ったのですが、西峰山頂には誰もいなかったので、鎖場を避けて東峰を選ぶ人が多いようです。独立峰なので山頂の眺めは素晴らしく、360度パノラマを楽しめます。時刻は2時30分過ぎ。合野越から1時間ちょっと、登山口からは2時間半足らずで登ることができたので予想していたよりだいぶ早く山頂に立つことができました。
もともとはこのまま下山するつもりでしたが、時間に余裕ができたので「お鉢周り」をしてみることにしました。このルートも「危険」となっていましたが、上から見たところ絶壁の上を歩くわけでもなさそうなので大丈夫でしょう。西峰山頂から下る道はよく整備されているとはいえませんが、ルートを外れてしまう心配はないでしょう。20分弱で最低点と思われるところに到着。ここからは東峰に向けて登っていきます。足を大きく伸ばさないといけないところが少しありましたが、特に危険を感じることもなく西峰山頂から40分ほどで東峰山頂に到着。
こちらの山頂にも人は誰もいませんでした。東峰からは海が見えます。別府や猿で有名な高崎山まで見えるので、眺望の良さは西峰より上といえるでしょう。ここで15:20、いい時間になったので下山開始。下りは正面ルートを使います。16:50登山口発のバスに乗りたいので、90分以内の下山を目指します。
東峰からマタエまでの道は特に危険な箇所はありませんでした。マタエから合野越までは、さっき登ってきた道を下ります。歩きやすいので40分ほどで着きました。ここで一休みして正面ルートを下ります。こちらのルートは、草原歩きはなく、低山ハイクという雰囲気。道はよく整備されています。わずか25分ほどで登山口が見える草原に出て、あっけない到着。振り返って見える由布岳山頂も西から見るのと角度が変わり、双耳峰っぽくありません。わずか70分で下山。下から見るとだいぶ高く、離れているように見える山ですが、意外と時間はかかりませんでした。
由布岳、景色もよく、バラエティもあり、とてもいい山でした。羽田8時発の便で出かけてその日のうちに往復できるので、首都圏の方でも楽しめます。そして、登るなら断然西ルートをオススメします。SoftbankのiPhone持参の山行でしたが、ほぼ全域電波がとれたので、スマホ持参ならより安心でしょう。
本日の1曲 The POLICE「Tea In The Sahara」
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