僕の上司もそうですが、コンサルタントという人たちは、とにかくクライアントを説得することに長けていて、話にインパクトを与えるためにあえて逆説的な話をすることがしばしばあります。そういう意味で、この本はいかにもコンサルタントが書いたという匂いがしていて、素直に納得し難い部分も多々あります。しかし、確かにビジネスの”常識”が「成果にフォーカスする」という仕事本来の目的の妨げになっていることもあるなと気づかされました。
96%の人がやっていない 稼ぐ人の常識破りの仕事術 | ||||
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先にお断りしておくと、著者が本書で勧める仕事術を実践することがメリットになる人とそうではない人がいるでしょう。成果以前に上司や先輩から「使える」と認められることが求められる若手社員が本書のメソッドを実行するのは危険だと思います。一方で、成果を求められるマネジメント層にとっては、得られるものがたくさんあるはずです。
以下、覚えておきたいポイントを抜き書きしていきます。
- 先延ばししていることを見つめ直すことで自分の価値観が浮かび上がる
心底やりたいと思っているのに日常の些事にとって代わられているもの→緊急性はないが重要度は高いものである。そうしたことは、事前に時間をブロックして確保すべき
もう1つの先延ばしは「やったほうがいいもの」=やりたくないもの こちらはすっぱりやめたらいい
- 効率を上げることより売上など成果につながるかを考えて仕事をすべき 「やるべき」と思われている仕事を減らす
- 毎週ひとつは長期的視野に立って重要なことを完了させる そのための時間を確保する
- 意味のある仕事をルーチン化する
成果に直結する業務をリストアップ→その業務のプロセスをタスクに細分化する→最低1日1タスク以上をやるべきこととしてスケジュールに入れる
- 夢がかなわないメカニズム 紙に書いても夢がかなわないのはなぜ?→心から叶えたいという夢をそもそも持っていない イメージや人との比較で浮かび上がる「借り物の夢」→達成すべき理由がない まずは本当の夢を見つけることが大事
- 速読はムダ 早く読むには 以下の3つをすればいいだけ
- 黙読をやめる 声に出してなくても読んでいる→視読 目だけで追うようにする
- 全部読むのをやめる
- 全体像を把握してから読む
- マーケティング・セールスとは何か? 自社の商品、サービスのよさを余すことなく伝える活動
お客はいいものを買うのではなくよさそうなものを買う
- 競合を見るメンタリティーは2つ 同業界の競合を見てもムダ→パクるなら全く違う業界からパクれ
- 横並び意識
- ラクをしたいだけ
- 付き合わない客の基準を明確にする
- 何となくイヤだなと思う客
- その客の共通点は?
- こんな客とは付き合いたくないなという点をあげる
- 人脈は自分のレベルに比例する。自分がギブできるものが小さければ受け取れるものも小さい
- 覚えてもらいたいなら自分のことを語るのではなく、徹底して相手のことを聞く
- どんなビジネスをしているか
- どんなお客を対象としているか
- どれくらい今のビジネスをしているか
- どうやってお客を集めているか
- 叱るのは業績アップのため できないとやらないを区別し、やらないときだけ叱る 課題を明確にし、何をすべきかを具体的に説明する
- できる人とできない人がいる前提で能力がなくても回る仕組みを考える
- 起業はリスクが高いのか? 失敗の確率を減らすポイント
- 粗利が高い商品を扱う
- リピート商品を扱う
- マーケティング、セールスを勉強する
- 開業コストを抑える
- 副業で始める
- ポジティブ思考の落とし穴: 問題が起こった原因が自分にあれば自分が変わるべき、という当たり前のことを忘れている
ネガティヴだから不安に対して考えられる手を打てる やるだけのことはやったと信じられるかどうかが大事
- 考える作業を具体的な行動にする 最悪のケースを書き出し、その原因を厳密に考える
- 目標と欲しい結果を混同しない 経験則から目標達成のためのプロセスを逆算し、毎日の活動にブレイクダウンしていく
コントロール不可能な結果ではなく、コントロール可能な行動にフォーカスするのが結果を出す秘訣
- モチベーションは感情であり、外からコントロールできるものではない
正しい行動をとってもらう仕組みを考える→成果が出れば結果的にモチベーションが上がる
- 人間的な成長とビジネスにおける成果とは関係がない 人間的な成長をエサにしてもっと働けというのがブラック企業
- 毎週仕事の棚卸しをする 目標、得たい成果からやるべき仕事をタスクとしてリストアップ ふせんに書き出す→ふせんをやるべき順番に並べ替える
- 目標を一瞬で達成しなければならないとしたらどうするか?
- 5倍の目標を達成するには
- 自分が働く時間を減らすには
- 誰かに任せられないか
- リストアップしたタスクのどれかを飛ばすことはできないか?
まとめ
抜き書きしてしまうと本書のインパクトがなくなってしまいました。やはり、コンサルタント臭あふれる逆説的な構成があっているのでしょう。管理職の方は一読をオススメします。
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