Day319 久々の歩き

ベマの家で7時頃朝食をいただく。この地方は電線はあるものの、実際には電気は来ておらず太陽電池で蛍光灯をつけていた。食後、お金を支払って荷物を置かせてもらい、再びダーへ向かう。1kmほど歩いたところでヒッチができたので8時過ぎにはダーに着いてしまった。
ちょっと早すぎたのかあまり人が出ていない。まずは目的のゴンパへ行くが予想通り施錠されていた。近くで石を運んでいたおばちゃんに聞くと、カギを管理しているゴンパ右手の家のばあちゃんを呼んでくれ、中へ入ることができた。入ってみると2部屋あり、外見よりスペースがあった。奥の部屋には意外と大きなチューチグザルとチャンバ像がある。拝礼していたらカギ番のばあちゃんが入ってきてぶつぶつとお経を唱えながら簡単に掃除をしていた。このばあちゃん、わし鼻にしわくちゃの顔で腰も曲がっており、まさにナウシカの「ばばさま」生き写し。帽子にはショクロと花をさしており典型的なドクユルの格好をしている。ゴンパに腰かけているところの写真を撮らせてもらった[:ラッキー:]
ゴンパを出てから集落を見下ろす高台にある学校に行ってみる。続々と子供たちがやって来る時間で、まだ制服もない幼児まで兄ちゃん、姉ちゃんに連れられて登校していた。きっと家の人は畑仕事で外に出てしまうので、兄、姉が学校に連れてきて面倒を見るのだろう。それから集落の西を流れる沢のほうへ少し歩いてみるが川はだいぶ低いところにあるので下りなかった。橋を渡ったところには情報通りなかなかしっかりしたインド軍のチェックポストがあり、ここをしれっと通り過ぎて先へ行くことは無理そうだった。
村は小さいのでこれくらいしかすることもない。被写体になるような年寄りもほとんど見かけないし、僕には見つけたら片っ端から写真を撮るような図々しさもないので思ったほど写真を撮ることもなくダーの村を後にする。
途中、岩絵を見たりしながらベマの手前1kmのところで対岸へ渡りバルデスの集落へ行ってみる。が、この村には道らしい道がない。川沿いを一通り歩き、ようやく奥へ上がっていく道を発見する。ここにもきれいな沢があり、汗を流して水分補給。道沿いにも何軒か家があったが、出ている人は少ない。たまたまある家の老夫婦と目があって、こっちへ来いと言われたので、お茶をいただきビスケットを食べながらしばらく話をする。ここは人口50〜60人の小さな村で訪れる旅行者も少なそうだ。昼近くなったので老夫婦とお別れしてベマに戻る。荷物を拾って今夜の宿泊地ハヌーをめざす。
8kmくらいかなと思っていたが、道路に出て最初のキロポストを見たら11kmでちょっとショック。うまい具合に車が来たら拾うことにしてとりあえず歩き始める。道はほぼフラットで楽だがバックパックとディパックを前後にしょっているので荷物が大変だ。たまに車は通るが停まってくれるのは皆無。そうこう進むうちに半分を越えてしまった。僕には変な意地みたいなものがあって、目的地までの半分を歩いてしまったら残りは歩き通すことにしている。えてして、そう決めてから車がたくさん来たりするものだ…
汗だくになって3時頃ハヌーに到着。街道沿いの商店でゲストハウスを聞くがやはりここにもないと言われるので民泊先を探しに集落へ。この集落も高台にあり、ダーから計15kmを歩いてきた身にはキツイ。道沿いに家が並んでいるかと思ったが数軒しかなく、1人だけ見つけたばあちゃんに部屋を探しているといってもいい返事はもらえなかった。今までの経験で(当然だが)民泊が可能な家はそこそこ大きな家に限られているようだ。しばらく行ったり来たりしているうちに畑仕事をしているおばちゃん達を見つけたので、部屋はないかと聞くと、上の集落へ上がる道を教えてくれ、上に行けばどこかあるだろうみたいな話をしてくれた。さらに一頑張りしてようやくハヌーの集落へ到着[:拍手:]
なるほど、ここには20軒ほどの家が並んでおりモスクまであった。ここで庭に出ている人に片っ端から部屋はないか聞く。そうしているうちに子供が集まってきて、一人の子が学校の隣にある家へ連れて行ってくれた。ここの姉ちゃんに今夜の部屋を貸してほしいというと、いくら払うの?とドライに返事された。「飯つき150Rs」というと中に入って誰かに確認してからOKといって部屋に案内してくれた。部屋に入って荷物をほどいていると僕がここに入ったのを知っている子供たちが窓から覗きこんで「写真を撮ってくれ」というので、外に出て数枚撮ってやった。この村にはあまりドクユル色はなく、ショクロをつけている年寄りは見かけない。だいぶ汗をかいたので村はずれの沢に行って頭と体を洗う。この村に限ったことではないが、村に水量豊富なきれいな川があるのに、そこに貯水槽を作って水道を引くという発想はないらしく、どの家も川か村内に1つある流れっぱなしの共同水道まで水を汲みにきている。もっともこれは主に子供の仕事なので大人はそれを負荷には感じてのかもしれない。
7時半ころ、部屋にいると1人のラマが来た。話をすると、この家のおばさんの兄弟なのだということが分かった。このラマの話ではハヌーの村はドクユルというよりはまだラダックのエリアなのだという。今夜はこのラマと一緒に食事をして、同じ部屋で寝ることになった。この家には(男は軍人で出払っているらしく)現在女性と子供しかいないようだ。そのため、(僕という男を泊めるにあたって)このラマを呼んできたのかもしれない。ここのおばちゃんはあまり愛想はよくないが、飯はサービス満点でものすごいボリュームがあった。久々に食べるサラダがありがたい。やっぱりこの地域は野菜が豊富なのだろう。ダー、ハヌーの家ではどうも薄味が多いようだ。

本日の1曲 Tata Young「Dhoom Dhoom 」

↓ドクパのじいちゃん

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