旅のプランを固めずに出てきてしまった今回のタイであるが、だいぶお寺も見たし、サタデーマーケットも体験できたので、次の街へ移動することに決めた。
本日の目的地はソッポン(パーンマーパーとも言われる)というメーホンソンから75kmという地点にある小さな村。この近くにはリス族、アカ族など少数民族の住むが点在しているらしく、近くのリス族村では外国人のホームステイを受け入れているとウェブサイトでも宣伝していた。
今日はこの村に泊まって、明日の朝イチでメーホンソンへ行ってみようと思う。
というわけで、7時過ぎに宿をチェックアウトして、ターペー門方面へ歩き、通りかかったソンテウを拾ってアーケードバスターミナルへ。貸切状態だったので40B払ったが、思ったほど遠くもなかったので30Bでも多いくらいだったと悔やむ。
メーホンソン行バスは、ミニバン、新しいバス、おんぼろバスの3種類があるようだが、スピードを考えるとミニバンがダンゼンおすすめ。後で確認したらメーホンソンまで250B、ソッポンまでも250B取られた…ぼられたっぽい。幸い、8:30発のミニバンの最後の一席が残っていたのでほとんど待つことなく出発。チェンマイ近郊を走っている間は80km/h走行でこれなら3時間くらいで着くかな…と思っていたが、ほどなく山間部に入るとガクンとスピードダウン。
パイ経由のメーホンソン北回りルートは直線距離は短いが途中ほとんどが山越えのため、どうしてもスピードが遅くなる。ま、タイの山道も悪くないし、道中は1Q84があるので全く退屈することはない。途中、いつの間にか眠っているうちに峠の茶店で休憩。ここで朝ごはんを食べる。食後、ささっと出発し、また山道の連続。タイの山というと熱帯雨林のイメージを持っていたが、車から見える景色は日本の山に近い感じだ。松のような針葉樹もあるし、乾季の終盤のためか枯れて葉を落としている木も多い。少なくともジャングルの雰囲気は薄い。
1300mレベルの峠を何度か越してパイに到着。ここで1/3くらい乗客が入れ替わる。パイからソッポンは約45kmだが、この区間もほとんど山道で1時間半ほどかかった。途中、検問があり、外国人はパスポートの表紙だけ遠目に見せればOKという程度の緩いものだが、同じ列に座っていた青年はなぜか軍人に連れていかれた。
1時頃ソッポンに到着。道沿いに商店や食堂が並ぶだけの予想以上に小さな街?だった。バスを降りるとすぐ「LISU HOMESTAY」の看板があったのでその矢印に従って歩く。Soppong River Innの向かいの坂道の角にまた看板があり、その坂道を上がって行け、となっている。急坂を汗かきつつ15分ほど上がるとリス族の村に着いた。皆バイクで移動している。民族衣装を着た女性がいる他は普通の農村と変わらない。高床式の木造建築が多い。暑いから風通しが欲しいのだろうか。村人にはバイクで抜かされたり、庭からちらっと見られたりしたが、あまりバックパックを背負った外国人に関心はなさそう。上のほうまで行くと、また看板があったのでその方向へ進むがどこがホームステイ受け入れの家か分からないので、日陰で井戸端会議中のオバサン達に指差し会話帳で「泊まれるところはどこか?」聞くと、遊んでいた子供に連れていってやれ、と指示をした。このオバサン達から、ウチに泊まったら?という雰囲気は全く感じられなかった。
少年に連れられていった家には既に白人カップルが泊まっていて、ベランダでぼーっとしていた。この家の英語ができるオバサンがホームステイ商売をしているらしく、白人カップル部屋の先にある2畳窓なしの部屋を見せて、ここで3食付300B、布団はすぐキレイにする、と言う。しかし、白人がぼーっとベランダで過ごしているところを見ると、このオバサンがいろいろアクティビティに連れていってくれたりしそうには全く見えないし、村の人もあまり外国人に対してフレンドリーではなさそう。要は、食事付のゲストハウスをにしか思えなかったし、1泊してあまり楽しそうな予感はなかったので断って帰る。せっかく来たのでリス村の写真を撮ったり、子供と指差し会話帳で話をしたりで1時間ほど滞在。リス族はキリスト教徒らしく、村には教会があった。なにより驚いたのは、名前を聞いた女の子が「キャサリーン」と答えたことだった。
真ん中の娘がキャサリーン!
ソッポンに戻り、食堂でお昼を食べてからメーホンソン行バスを待つ。30分後に来たバスはミニバンではなくオンボロバス。さっき検問で降ろされた青年が軍人3人の護衛付きで乗っていてお互いに「あっ」と目が合う。なんだったんだろう?、もしかしてビルマ人だったのかな?オンボロバスは当然ミニバンより遥かに遅い、しかも坂道をジリジリ登っていると座席の下から熱くなってきていつオーバーヒートを起こして止まるのではないかとハラハラする。何とか持ちこたえ、さらに3時間くらい乗ってようやくメーホンソン到着。隣のおじさんがバスターミナルは遠いからここで降りろ、というので郵便局の前で下車。その時は分からなかったが、確かにそこが街の中心だった。
少し歩くと、蓮が浮かんだジョンカム池に出る。ゲストハウスもこの周囲に点在しているようなので、いくつかあたって1部屋150B(トイレ・シャワー共同)でJohnkam GHに入る。さっそく荷物を置いてシャワーを浴び、一汗流してから池の向かいに見えるミャンマー風寺院ワット・チョンクラン&ワット・チョンカムへ。銀の装飾が目立つミャンマー風寺院を見たのはバングラデシュ以来か…
タイのお寺は奥行きが長いタイプが多いが、ミャンマー風は奥行きよりも幅が広く造ってあるようだ。
中にはちょっとしたMuseumがある
巨大な白仏
ある部屋では若い坊さんが何か大きな紙を畳んでいたので、何をしてるのか聞くと、風船だと言われた。イーペン祭に使うコムローイって紙熱気球だろうか?一度見てみたいものだ、と思ったらYoutubeに映像があった。見ると、さらに本物を見たくなる衝動が強くなります(笑)
さて、そろそろ5時なので、明日の首長カレン族村訪問のアレンジをしなくてはならない。とはいってもこの町には見たところ2~3軒しか旅行代理店はなさそうだ。さっそく1軒目の店に行って首長族の村に行くツアーについて聞くと、首長カレン族村、タム・プラーという青い魚がうじゃうじゃいる洞窟、メーホーソンの町を見下ろす山(ドイ・コンムー)の山頂にある寺院ワットプラタートの3箇所を廻って1100B、たまたま日本人2人が申し込んでいるとの話。3,000円はチト高いが、うち250Bは首長族村の入村料なのでこんなものか。900Bまで値切って参加申込。現金がなかったので半額後払いにしてもらった。
なお、ツアー会社はRose Garden Toursメインストリート沿い、セブンイレブンの隣にある。その数軒先にももう1軒旅行代理店があったが、話がまとまってしまったので交渉しなかった。なお、このツアー昼食込という話だったが当日になると昼食は別だということになって、ちょっとムカっときた。まぁ、連れていかれたのが1食30Bくらいのローカルレストランだから懐が痛むわけではないが…この会社を使う方は要注意。
それから空港方面の市場に行ってみるがもう終了していたので、近くにあったこれまたミャンマー風寺院にお参り。メーホーソンは標高が高く涼しいと聞いていたが、ほとんど体感的にはチェンマイと変わらない。雨季に入る前の5月はこの辺りでは年間を通じて最も暑い時期で、名物の霧も発生しないと言われた。いちばん賑わうのが11~12月でこの時期はタイ全土から避暑の観光客がやってくるらしい。
そういうわけで、ここでも食事はソムタムとビール。ちょっと足りないなという感じだったので、食後屋台でバミーとビールもう1本飲んで宿へ。シャワーを浴びてから、部屋の外のベンチで葉巻をふかす。日本のとはちょっと違ったカエルの声が賑やかだ。葉巻を3本吸ったので少々クラっとしてたが、ライトアップされたワット・チョンクランを見たかったのでカメラを持って池へ。想像通りの美しい寺に満足。
本日の1曲 Deep Forest 「Deep Weather」
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