【読書メモ】「自分の言葉で人を動かす」(木暮太一著 文響社)

僕自身、普段、仕事で文章を作る機会は多いほうだと思いますが、定型的なビジネス文書に関しては過去のストックがたくさんあるので、たいていのものはテンプレートを加工するような感じで済ませているのが現状です。
そうして安易に文章を作成していたので、本来考えるべき「文章を書く目的」が頭から抜け落ちていました。

言葉を通じて人を動かす

本書を読んで、改めて何のために文章を書いているのかを考えるよいきっかけとなりました。そして、今までの自分の文章の傾向として、全体的なあらすじ説明のボリュームが多く、どこが刺さったのか、なぜ心に響いたのかを読み手に伝えていなかったことを再認識しました。
これからは、ただの説明、紹介に終わらない文章を書く、もちろん話すときも相手を動かすという視点を意識していくようにします。

 

本書を読んで、さっそく実践していきたいと感じたのが以下の2点です。

全体で勝たなくても、一つ気に入ってもらえばいい

全体を伝えるのではなく、一点突破で自分が本当に相手に教えたいことを選んで話せば人は動きます。言葉には人を動かす力があり「教えたいこと」という視点がその力を与えてくれます。ぼやっと全体的な説明をしても相手の頭を右から左へ流れていくだけです。僕も、仕事で自社のサービスについて説明しているとき、相手がなんとなく相槌をうってくれるものの、伝わってないなぁと感じることが間々ありました。そうしたケースでは、きっと焦点が絞れていなかったのだと思います。

教えたいは言いたいと認められたいの中間点

「教える」ということに関し、もう1つ著者の言葉で刺さったのがコレです。

「教えたいこと」の視点は、自分が教えたいではなく、あなたに教えたいの視点が大事なのです。

相手本位だが相手主体でもない視点を持つ…微妙に見えて大きな違いです。自分が何らかの目的を持って話す/書くわけですが、そのときに相手に共感してもらえるかも、相手にメリットがあるかもと自然に考えられるようになるのが理想です。常に自己満足に終わらず、相手にも満足を与えられるコミュニケーションを図っていきたいものです。

コレは、書き方/話し方だけの問題ではなく、テーマ選びにも関わることです。特に話すという行為は、目の前にいる特定の相手に対してする行為なので、自分が教えたいことを相手を選ばず誰にでも話すのではなく、相手の興味や性格などを考えて関心のありそうなテーマを選ぶことが大事でしょう。

ポイント引用

以下、本書で覚えておきたいポイントをメモしておきます。

・ 「人は論理で理解し、感情で動く」ブライアン・トレーシー
借り物の言葉では相手に響かない。人を動かすためには「あなたにこれをどうしても教えたい」という視点で話すことが必要。

・相手に受け入れられることを考えて話すと自分の考えがなくなる→面白味のない会話にしかならない
例)就活できれいごとを並べて自分の実績を語るのがよいのか?→相手に評価されることだけを考えてはダメ

・「教えたいこと視点」のメリット
1. 人から自然と信頼が得られる
2. 本音のままで相手が喜ぶ話ができる

・自分の言葉を引き出すメソッド
1 自分の言葉の作り方を身につける
この映画について教えたいことは何か?の問いかけをする
→感情の震源地を自分で明らかにする
教えたいことを見つけてから5w1Hで状況整理をする。
あえて全体を表現することを捨てる→部分の方が自分らしさを出せる

a これ、すげえんだよを頭につけて話す
b ふーん、ほう、はっなどの感嘆詞から感情を紐解く
へぇは発見、ほうは感心、などの感情が隠されている
c 比較すると感情にグラデーションがつく
?と同じくらいの○、?とは比べ物にならない

2 相手を動かす言葉の選び方にを身につける
すげえんだよのポイントを見つけたら、そのポイントが誰に対して響くのかを考える。

3 言葉の力を強くする方法を身につける
なぜ教えたいと思うのか理由を付け加える
何が心に引っかかって教えたいと思うのか明らかにする

学ぶ段階でどこを人に教えようかという視点で情報を吸収することで勉強が楽しくなり、自分の視点で情報をまとめられるようになる
さらに、教えることで知識の定着率は18倍にもなる
理解していないところが浮き彫りになる→わかったつもりが腑に落ちるに変わる

会議で物事を決める流れ
第一段階では発散、アイデアを出し尽くす
第二段階で出尽くしたアイデアから一つを選ぶ
そのときに「教えたい視点」を使う

 

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